Stable Diffusion ComfyUIのインストール方法
今回の記事はStable DiffusionのUI「ComfyUI」のインストール方法を紹介します。ComfyUIはAutomatic1111 WebUIと比べたら操作方法が難しいと思われがちですが、慣れてしまえば直感的にノーコードで複雑な構成を組むことが出来ます。Stable Diffusion生成の流れが視覚出来るのでプログラムの勉強にも役立ちます。
ComfyUIとは
「ComfyUI」はStable DiffusionのためのノードベースGUIです。ノードベースGUIとは様々な機能を持ったブロックを紐で繋いでいくグラフィックユーザーインターフェースになり、3DCGのHoudiniやゲームエンジンのUnrealEngine、ビジュアルプログラミングのvvvvやtouch Designer等でも採用されているGUIになります。
SD1.x, SD2.x, SDXL, Stable Video Diffusion, Stable Cascade, SD3, Stable AudioをサポートしておりStable Diffusionの技術のほとんどを使うことが出来ます。また、「スマートメモリーマネージメント」により1GBのVRAMでも動作可能となっております。
Comfy UIのインストール方法
「ComfyUI」のインストール方法は2通りあります。「ポータブル スタンドアローン ビルド」をダウンロードしてインストールする方法(Windowsのみ)とマニュアルインストール方法(Windows・Linux)があります。前者の方法は非常にシンプルで簡単なのでオススメします。
ポータブル スタンドアローン ビルド を使ったインストール方法
この方法は非常に簡単で公式のGithubのリリースページよりビルドをダウンロードして解凍するだけです。
ComfyUI_windows_portable_nvidia.7z
のリンクよりファイルをダウンロードします。
7z
ファイルに対応した解凍プロクラムで任意の場所に解凍しましょう。
\ComfyUI_windows_portable\ComfyUI\models\checkpoints
に置きましょう。モデルをお持ちでない方は「v1-5-pruned-emaonly.safetensors」をダウンロードしましょう。
\ComfyUI_windows_portable\ComfyUI\models\vae
に置きましょう。コチラもお持ちでない方は「vae-ft-mse-840000-ema-pruned」をダウンロードしましょう。
以上のステップでインストール完了になります。
モデルについてはSD1.5・SDXL1.0・VAEに分けて紹介していますので参考にしてください。またAutomatic1111 WebUIをお使いでモデルを共有したい場合は後ほど🔗Automatic1111 WebUIのモデルをComfyUIと共有する方法で説明しています。
マニュアルインストール方法
コチラの方法はインストールから起動まで全てマニュアルで操作する為あまりおススメしません、Linuxの方はこの方法でしかインストールできませんが、Windowsの方はスタンドアローンをおススメします。
マニュアルでインストールするには下記のプログラムが必要となります。
- Python 3.10
- Git
cd %userprofile%
git clone https://github.com/comfyanonymous/ComfyUI.git
\ComfyUI_windows_portable\ComfyUI\models\checkpoints
に置きます。
\ComfyUI_windows_portable\ComfyUI\models\vae
に置きます。
ココから次のステップに移るのですが、お使いのGPUによって変わるのでご自身のGPUに沿って進めていきましょう。
NVIDIA
NVIDIAのGPUをお使いの方は「pytorch」を下記のコマンドでインストールしましょう。※「pip」のバージョンが古くてエラーが出る場合はpython.exe -m pip install --upgrade pip
コマンドを実行しアップグレードしましょう。
pip install torch torchvision torchaudio --extra-index-url https://download.pytorch.org/whl/cu121
また、pytorchのナイトリービルドを使ってパフォーマンスを少しでも上げたい場合は下記のコマンドでインストールしましょう。
pip install --pre torch torchvision torchaudio --index-url https://download.pytorch.org/whl/nightly/cu124
AMD (Linux only)
公式にはサポートされていませんがAMDのGPUをお使いの方は「rocm」と「pytorch」を下記のコマンドでインストールしましょう。
pip install torch torchvision torchaudio --index-url https://download.pytorch.org/whl/rocm6.0
コチラもrocmのナイトリービルドを使ってパフォーマンスを少しでも上げたい場合は下記のコマンドでインストールしましょう。
pip install --pre torch torchvision torchaudio --index-url https://download.pytorch.org/whl/nightly/rocm6.1
もし「Torch not compiled with CUDA enabled」エラーが出た場合はpip uninstall torch
を使って「torch」をアンインストールしてからもう一度上記のコマンドでインストールしましょう。
requirementsのインストール
cd ComfyUI
を使ってディレクトリを移動して必須コンポーネントを下記のコマンドでインストールしましょう。
pip install -r requirements.txt
必須コンポーネントのインストールが終わればインストール完了です。最後に起動用のBatchファイルを作成しましょう。
起動用ファイルの作成(Windows)
ComfyUI
ディレクトリにテキストファイルを新規作成します。- ファイル名を
run_comfyui.bat
等分かりやすい名前に変更します。 -
コード内容は下記の通りです。
@echo off python ./main.py pause
ComfyUIの起動と動作確認
ComfyUIの起動方法もスタンドアローンとマニュアルインストールでは違ってくるので注意してください。
スタンドアローンの起動方法
解凍したファルダの中にあるrun_nvidia_gpu.bat
を実行してください、しばらくするとブラウザが開きます。
マニュアルインストールの起動方法
マニュアルインストールの場合はインストール時に作成した起動用のBatchファイル実行しましょう。
run_comfyui.bat
を実行しましょう。- しばらくしたらコンソールに
Starting server To see the GUI go to: http://127.0.0.1:8188
と表示されるのでCtrl + クリック
でブラウザが開きます。
Linuxの方はコンソールでComfyUI
を開きpython main.py
で起動します。
動作確認
動作確認にはメニューの「Queue Prompt」ボタンを押します。エラーが無ければ画像が生成されます。エラーが出るとエラー箇所のノードが赤枠になっているのでその箇所の問題を解決しましょう。ComfyUIのデフォルトワークフローのチェックポイントモデルが「v1-5-pruned-emaonly.ckpt」となっているのでv1-5-pruned-emaonly.safetensors
を再選択することを忘れないようにしましょう。
ComfyUIの終了方法
ComfyUIもAutomatic1111 WebUIと同じでブラウザを閉じるだけでは終了しません。プロセスを終了するには、コマンド プロンプトを開き、Ctrlキーを押しながらCキーを押して終了を促すプロンプトが表示されたら、Yを入力し、Enterキーを押してください。
Automatic1111 WebUIのモデルをComfyUIと共有する方法
お使いのPCにAutomatic1111 WebUIが既にインストールされている場合、モデルなどのデータを共有すればチェックポイントモデル等のストレージを圧迫する容量の大きなモデルを複数所持する必要がなくなるのでおススメします。
- extra_model_paths.yaml.exampleを編集する:
\ComfyUI_windows_portable\ComfyUI\
をファイルエクスプローラーで開きextra_model_paths.yaml.example
をテキストエディタで開きます。 -
A1111WebUIのBasePathを入力:7行目辺りの
base_path: path/to/stable-diffusion-webui/
にA1111WebUIのパスを絶対パス(フルパス)で入力してください。例: base_path: C:/Users/ユーザー名/stable-diffusion-webui/
- ファイル名を変更して保存:ファイル名を
extra_model_paths.yaml
に変更して保存します。 - モデルの確認:ComfyUIを起動後チェックポイントモデルが正常に読み込まれていることを確認します。正常に読み込まれていない場合はベースパスやファイル名が正しく設定されているかを確認してください。
この方法で以下のモデルが共有されます。
- チェックポイントモデル
- コンフィグ(チェックポイントモデル)
- VAE
- LoRAs
- アップスケールモデル
- エンベディングス
- ハイパーネットワークス
- コントロールネット
ComfyUIのアンインストール方法
スタンドアローンの方はComfyUI_windows_portable
フォルダの削除でアンインストールできます。
マニュアルインストールされた方はComfyUI
を削除すればアンインストールできます。完全にアンインストールしたい方はPythonもアンインストールしておきましょう。
ComfyUIののバックアップ方法について
スタンドアローンの方はComfyUI_windows_portable
フォルダをコピーしましょう。
マニュアルインストールされた方はComfyUI
をコピーすれば完了です。
最小限にしたい場合はComfyUI
フォルダ内の以下のフォルダをバックアップしましょう。
- models:モデルデータが収納されています。
- custom_nodes:カスタムノード(エクステンション)が収納されています。
まとめ
いかがでしたか。今回はComfyUIのインストール方法を紹介させていただきました。ポータブル版のインストールはかなりシンプルに導入できるのでWindowsユーザーの方はお勧めします。この記事は生成AI中級記事で第一回目となりました。生成AI中級ではComfyUIを中心に記事を進めていきたいと思っています。次回は「ComfyUIの使い方」を説明していきます。最後までお読みいただきありがとうございました。