AIイラストを無料で生成するには?代替えの有料サービスまで紹介
無料でAIイラストを生成するにはご自身のPCにプラットフォームをインストールして実行させる必要があります。初めにお伝えしておきたいのが低スペックのPCでAIイラストを生成するには1枚のイラストを生成するのにかなりの時間が掛かってしまったり、メモリー不足エラーなどで生成が止まってしまいます。そのような場合はミドルスペック以上のPCに買い替えるか、後半で紹介する有料で使うAIイラスト生成サービスを利用する方法でAIイラストを生成できますので代替え案として一読ください。
無料AIイラスト生成に必要なPCのスペック
無料AIイラスト生成に必要なPCはミドルスペック以上のPCが必要になります。以下の表を参考にしてください。ビデオカードにつきましてはNvidia製の3000シリーズ以降を推奨しますが、古くてもpythonのパッケージ「pytorch」をサポートしていれば使う事ができます。
確認項目 | 必要スペック | 備考 |
---|---|---|
OS | Windows 10/11+ 64bit | |
CPU | Intel Core-i シリーズ・AMD Ryzenシリーズ | |
メモリー | 16GB以上 | |
GPU(グラフィックボード) | ビデオメモリ 8GB以上 (LoRA学習を行う場合は12GB以上) | NVIDIA製を推奨 内臓GPUは不可 |
SDXL等の高品質イラストの必要スペックについて
この表は最低必要スペックになります。しかし高画質のイラストが生成できるSDXLと言うモデルを使って大きなサイズのイラストを生成する場合、ビデオメモリは16GB以上あった方が快適に生成をできます。AIイラスト生成の作業は「プロンプト」と言う生成する為の指示文やパラメーター等を入力して(生成 → 確認 → 修正 → 生成)といった作業の流れになるので生成時間が長いとスムーズに進まず、ストレスになると思います。
参考までにDCAIが執筆時に使っているPCのベンチマークを下記に載せておきます。
- OS:Windows 11 Pro
- プラットフォーム:AUTOMATIC1111 Stable Diffusion web UI
- GPU:RTX3090(24GB) ASUS TUF GAMING
- CPU:Intel Core i9-12900KF
- メモリー:128GB
- ストレージ:M2. Samsung 980 PRO 1TB x2 RAID 0
サンプルのイラストを(1344x768ピクセル)生成するのに6.5秒 3.50it/s、さらにAIアップスケール(2016x1152ピクセル)や顔の修正などを含めても23.4秒 1.31it/sで生成することができました。(it/s|Iteration per seconds:一秒間に計算されたステップ数)
また、AIイラスト生成に必要なプラットフォームやモデルは数ギガバイトデータをダウンロードする為、大きな容量で高速なストレージや高速なインターネット回線があればさらに快適に作業ができます。
無料で使える生成AIイラストプラットフォームの紹介
AIイラストを無料で生成するにはウェブブラウザで操作するプラットフォームをダウンロードしてご自身のPCで生成する方法「ローカル生成」をします。ココからはローカル生成をサポートしてくれるプラットフォームを紹介します。
Automatic1111 Stable Diffusion web UI
最初に紹介するのがDCAIでも紹介しているAUTOMATIC1111のstable-diffusion-webuiです。A1111 WebUIはAIイラストをローカル生成する為のプラットフォームでGitHubでは13万以上のスターが付いており、人気のプラットフォームです。GradioベースのUIで初心者の方でも簡単に操作できます。
DCAIではインストール方法から使用方法まで紹介していますので興味のある方は下記の記事を参考にしてください。
ComfyUI
「ComfyUI」はノードベースGUIでAIイラストを生成するプラットフォームです。画像・動画・音楽と幅広く生成AIを使うことができます。A1111 WebUIと比べると少し使いづらい所があるかもしれませんが、ミドルスペックPCでもAIイラストが生成できる軽量なプラットフォームです。また、ノードベースGUIのおかげで拡張性も高く新しい技術への対応も早いでしょう。
ComfyUIもDCAIで紹介していますので興味のある方は一読ください。
Stable Diffusion WebUI Forge
「Stable Diffusion WebUI Forge」はGradioベースのUIで使えるプラットフォームです。🔗Fulx.1に対応したことにより再び注目されているプラットフォームです。もともとはA1111 WebUIが不安定な頃にメモリ管理などを備えた軽量版でしたが、現在はA1111 WebUIの新機能を開発者がテストするレポジトリになりました。以前のバージョンを使ってみたい方は🔗Download Previous Versionsにダウンロードファイルがあります。
SwarmUI
「SwarmUI」はもともとStableSwarmUIと言う名前でSD1.5やSDXL、SD3モデルを開発したStability-AIが開発をしていましたが、現在mcmonkeyprojectsに引き継がれ開発も進んでいます。特徴としてはA1111 WebUIより軽くミドルスペックのPCでも十分に使うことができます。
Fooocus
「Fooocus」はシンプルにプロンプトを入力するだけでイラストを生成してくれるプラットフォームです。Advancedメニューで多少の設定は変えることができますがA1111 WebUIの様に拡張機能を入れたりすることが出来ないので、とりあえず生成AIイラストを体験してみたい方にはおススメします。
SD.Next
モダンなUIの「SD.Next」はA1111 WebUIと比べると初期インストール状態でControlNet等の必須エクステンションが使えるのでインストール後すぐにでも高品質なイラストを生成するこができます。
低スペックPCでもAIイラストが生成できる有料サーバー
ここからは記事タイトルにある「無料」とは違うのですがPCが非力でローカル生成が楽しめない方にオススメの有料サービスを紹介します。基本的のインターネットブラウザが使える環境なら何でも良いので低スペックPCやスマートフォンでも使うことができます。後ほど紹介するAIイラスト生成サービスとの違いはオープンソースのプラットフォームを使うので自由度が高く拡張性もあります。
Google Colaboratory [Google Colab]
「Google Colab」はGoogleが提供しているPython特化のクラウドサービスです。先ほど紹介したプラットフォームをインストールすれば、強力なGPUを使ってAIイラストを生成できます。以前は無料で使うことができましたが、現在は無料で使い続けていると警告が出るので有料プランでの使用をオススメします。導入にはそれなりの知識は必要ですが導入後はブラウザでローカル生成の様に使えるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。インストール方法は機会が在ればDCAIでも紹介いたします。
RunComfy
「RunComfy」はプラットフォームのComfyUIをサーバーの強力なGPUで使うことができる有料サーバーになります。カスタムノードからモデルまで自由に使うことができるので、低スペックPCでローカル生成にストレスを感じている方にオススメします。制限はありますがホビープランであれば無料枠で使うこともできます。また、日本語でも使えるのでハードルは低いと思われます。
低スペックPCでも使える有料AIイラスト生成サービス
有料AIイラスト生成サービスを使えばサーバーのハイスペックGPUを使うことができるので、低スペックPCからスマホ・タブレットまでインターネットブラウザが使える環境なら何でも使えるのでオススメします。ただし、オープンソースのローカル生成と比べると自由に機能を拡張することはできませんのでご注意ください。
Midjournery
「Midjournery」はAIイラストを生成サービスの中で高品質なイラストを生成したいならまずは「Midjournery」を使ってみることをオススメします。Midjourneryはプロンプトのみでディテールの細かい美しい画像を生成できます。また、日本語で使えるイラストに特化した「Niji・journey」と言うサービスもあるので英語が苦手でフォトリアルの画像を生成する必要のない方や主に2次元イラストを生成したい方にオススメします。
NovelAI
「NovelAI」はイラスト生成に特化したAIイラスト生成サービスです。フォトリアルな画像よりも2次元のイラストを得意としているのでリアル系生成AIに興味がない方はコチラをオススメします。また、UIが日本語にも対応していますので英語が苦手でも簡単に始められるでしょう。
Civitai Image Generator
「Civit AI」はモデルの共有サイトとして紹介していますが、AI生成サービスも行っています。強みとしてはCivit AIにアップロードされているモデルの中で生成の許可があるモデルを使える事です。ここまでの種類のモデルを使えるサービスはそう多くはないでしょう。
Tenser Art
「Tenser Art」は上のCivit AIと同じ様なサービスをしています。無料枠もあるので気軽に使うことができるでしょう。日本語にも対応しているので英語が苦手な方にオススメします。またアプリもあるのでスマートフォンからでも使うことができるようです。
Runway
ここからは動画生成に強い有料AIイラスト生成サービスになります。「Runway」はGen-1(video to video)からサービスが始まり、Gen-2にバージョンアップで(image to video / text to video)も可能になりました。さらに現行のGen-3 Alphaではモーションブラシ・アドバンスドカメラコントロール・ディレクターモード等のコントロールモデルでさらに動画品質を磨き上げてくれます。映画の様な映像からアニメーションまで幅広いスタイルで動画を生成してくれます。
KREA
「KREA」はキャンバスにラフ画を描きそれを元に画像を生成する「リアルタイム生成」とアップロードした画像や動画をアップスケールする「エンハンサー」からサービスが始まりました。後にAI Videoを生成するサービスが始まりAI動画生成のツールとしてはキーフレームで編集できたりと使いやすいツールとなっています。
Luma AI
「Luma AI」はDream machineを使うことで高品質なAI動画を生成してくれます。生成された動画はとてもリアルでDream machineの発表時はかなり話題になりました。あまり多くは使えませんが無料枠もあるので興味のある人は試してみるのも良いでしょう。
KLING AI
「KLING AI」は中国発の次世代生成AIサービスです。KOLORSモデルを使ったAI生成画像とKLINGが開発したモデルを使ったAI生成動画がありどちらも次世代を感じさせる生成をしてくれます。KOLORSはMidjournery-v6クラスの品質で生成できるモデルになります。生成動画のモデルは違和感のないスムーズな動画を生成してくれます。
Haiper
「Haiper」はGoogle DeepMindの出資で始まりAI生成動画の為のサービスになります。プロンプトから生成するText to videoやアップロードした画像から生成するImage to video、さらにアップロードした動画から生成するVideo to videoが使うことができます。品質に関しては今回紹介する中では中品質といったところです。
Kaiber
「Kaiber」はAI生成動画に特化したサービスです。アップロードした音楽に合わせて動画を生成するオーディオリアクティブは他では見られない機能ではないのでしょうか。ただし、品質に関しては少し前のAI動画品質で中品質といったところでしょう。
まとめ
今回はAIイラストを無料で生成する方法を紹介させていただきました。後半は有料の紹介でしたが😅いかがでしょうか。AIイラスト生成には自身のPCで計算させる方法とサーバーを使い計算させる2通りの方法があることが理解できれば幸いです。ハイスペックPCの予算で有料サーバーを使っても数年は使える予算になってきます。しかし、ローカル生成の自由度の高さも捨てがたい所と思います。今回は紹介のみでしたが、またの機会に使用方法なども紹介できれば思っています。最後までお読みいただき、ありがとうございました。